ザッカーバーグがやってきた。

すごい歴史的な日だ。

個人的には2000年の渋谷・ビットバレーの六本木ヴェルファーレでのイベントに孫社長チャーター機に乗って登場し大騒ぎになった日とダブる。でも当時はSNSなんて無かったからメールで「すげぇ」って飛び交ってた。それから12年、今も代わらず渋谷から六本木へ伸びる六本木通りの界隈に日本のベンチャーのほとんどが集まっている。

上場直前のアメリカ、いや世界最大のベンチャー企業が日本の首相に会いに来るって、すごい事なんだけど、すごいんだけど、何かアメリカのITの勝利宣言をしにきたマッカーサーみたいだ。そういや、マーク・ザッカーバーグって、強引に縮めるとマッカーサーっぽいぞ。

日本のユーザももっと増やしたいんだろうな、日本人の心象よくしたいんだろうな、FB社の経営陣は今やホワイトハウスに居た人達だらけだしな、政府筋も使えるんだろうな、サバンナ高橋にマネさせるんだろうな、日本SNSを凌駕したいんだろうな、日本代表SNSmixi社長とは会わないくせにFB社長とは会う首相って何なんだろうな・・・、アメリカなら何でもいいんだな、でも孫社長は今日からFB始めたみたいだな、fMCに突然登場したのはおまけで本筋はこっちだろうな・・・、などなど想うところあり。

消費税議論が大詰めの今日、FBが日本に消費税と法人税を納めてくれるなら、ニコニコ握手してもいいんだけど、首相・・・。上場益を日本にも分けてくれるといいんだけどな、義援金とか送ってくれれば、いいね!

でも、これってアメリカの国策的な動きに、日本が懐柔されたと見るべきなんだろうな。フェイスブック日本法人は2010年に設立登記されたらしいが、住所や電話番号が公開された訳でなく、存在は明確にはされていない。おそらく法人税は払う立場になったはずだが、消費税はどうするんだろう。

アマゾンは、日本に登記が無く、実態が無いと言い張って納税を拒否しつづけているが、国税庁は配送センターが国内にあることなどから運営実態が日本にもあり、納税義務を主張しているようだが・・。

それに引き換えフェイスブックは、物流がある訳でもなく、納税義務を日本が主張することは、法人登記が無かったら困難じゃないのか。

そんな税金の話でなく、フェイスブックの日本ユーザを増やすことは、メディアの席巻だ。事実、日本人の識者層やネット好きなどはテレビなんてほとんど見ないだろうし、フェイスブックの滞留時間を考えると、圧倒的なメディア接触時間を確保しはじめている。しかも、TV局は複数あるが、フェイスブックの画面は概ね1つな訳で、その画面を眺めている時間の長さたるや、もはやどんなメディアも適わないだろう。

それが分かっていて、ニコニコ握手する首相は、アメリカの金融セクターが元気が無い今、次の産業としてのネットパワーとIT産業の軍門に下ったことを宣言したようなものだ。

いやー、情けないと言えば情けないし、やられた感でお腹いっぱいだ。